JEIS Aoyama

JEIS Aoyama

Tel: 03-3876-0117
copyright © 2004-2013 JEIS All rights reserved

Top > コラム > ジュエリーについて ジュエリーの呪術的価値

ジュエリーについて ジュエリーの呪術的価値

コインリング

「呪術的価値」。「呪術的」というとちょっとおどろおどろしいのですが、それほど深い意味はなく、「所有者本人の何か特別な想い出と結びついていたり、見る人の心に何らか特別の印象を生起させるもの」というような意味です。
たとえば結婚指輪。デザイン的には全くおもしろみのない甲丸の指輪であっても、結婚式でその指輪を交換した二人には特別の意味があるのは言うまでもないことです。また周囲の人にも「私には配偶者がいます」ということを無言で知らせます。結婚指輪は小説や歌でも主人公の境遇や葛藤を表現する格好の素材として多く使われていますね。

たとえ、こわれて使えない古いジュエリーでも、もしそれが大切な人の形見であったりすれば、その人と想い出の共有を象徴するかけがえのないものとなります。近年話題になった映画「三丁目の夕日」ではそのストーリーの中に、思いを寄せるヒロミさんに指輪をプレゼントしたいと思ったけれど貧乏な茶川竜之介氏は指輪の箱だけしか買うことが出来なかった。そしてその空の指輪箱をプレゼントされたヒロミさんが茶川氏の想いを受け入れ、見えない指輪を指にする美しいシーンがありました。たとえ形がなくてもジュエリーは心と心をつなぐことが出来る・・・。
考えてみればあの映画のあのシーン、この映画のこのシーン、色々な場面でジュエリーは慕い合う二人の心模様の表現に使われています。

また視点を変えてみると、ジュエリーだけでなく現代の「ブランドもの」と言われているものにもこの「呪術性」がありますね。勿論伝統のある一流メーカーの製品は品質もデザインも優れていて高価でもあるのですが、それらは誰もが高級、高価なものと知っている「あのブランド」のものを身につけることによって、自分の価値をそれに仮託しようとする欲求も吸い寄せることになります。